保護司会更生保護団体

第71回“社会を明るくする運動”沖縄県推進委員会は、コロナ禍により、前回に引き続き、書面による開催となりました

法務省のサイトで、第71回“社会を明るくする運動”の実施要綱(全国)等が公開されました。

沖縄県下においても、これらを踏まえて、“社会を明るくする運動”沖縄県推進委員会、各地区推進委員会の参加団体を中心に、年間を通じて、運動が推進されます。

本日、沖縄県推進委員会の開催予定日でしたが、新型コロナウイルス感染症のまん延防止重点措置が5月末日まで延長されたことに伴い、会議を中止し、書面により実施要綱等の承諾をいただくこととしております。

 第71回“社会を明るくする運動”では、「#生きづらさを、生きていく。」をテーマにしています。

 昨年来、新型コロナウイルスは、日常生活に大きな影響をもたらしました。当たり前であった人との触れ合いが難しいものとなり、望まない孤独や社会的孤立が生まれ、その孤独・孤立によって、各々の中に伏せられていた“生きづらさ”が浮き彫りになりました。
 そのような中で行われる第71回“社会を明るくする運動”。
 難しいときにあって、求められる“明るさ”とは何だろう、これが一番の課題でした。

 更生保護に携わる人にとって、立ち直ろうとしている人たちの“生きづらさ”に触れる場面は、決して少なくありません。立ち直ろうとしている人たちの葛藤を目にするとき、社会がどんなに発展しても、立ち直ろうとしている人たちが抱える生きづらさそのものがなくなることはないのかもしれない、そう思うことがあります。

 しかし、生きづらさは消えないけれども、立ち直ろうとしている人たちが、更生保護に携わる多くの方々に支えられながら前に進んでいく、という長い間続いてきた営みがあります。
 この営みは、特に、コロナ禍という時代にあっては、立ち直ろうとしている人たちに限らない、誰もが自然と求める営みなのではないか、難しいときだからこそ、誰もが乗り越えることのできない生きづらさを抱えながら、そして、だからこそ人に頼り、支えてもらいながら、「生きづらさを、生きていく」ことが大切なのではないだろうか、そのような思いでテーマにしました。

 ある女性と若い男性が町中で偶然会う。
 女性は少し前から男性が向こうから歩いて来ることに気付いていたけれど、声を掛けるか迷っていた。
 すると少し遅れて気付いた男性の方が、人懐こそうな感じで「先生」と手を振ってくる。
 周りを歩く人は、その様子を見て、学校の先生と生徒が卒業後久しぶりに会ったんだろうな、と思っている。

  -久しぶり。元気だった?
  -元気です。先生も元気そうでよかったです。
  -どうしてるかなと思ってたけど、連絡ないから元気でやってるんだろうなって思ってた。

 若い男性は、4年前に少年院を出て1年間その女性の保護司のもとに通っていた。
 20歳になる半年前に保護観察を終えて、それから保護司と会うことはなかった。
 保護観察が終わった日から今日まで、決して順調ではなかったし、色んなことがあって、少年院に戻った方が楽だと思ったこともあった。
 でも、仕事先の飲食店の同僚とか新しい友達もできて、彼女もできて、なんとなく自分なりに社会と折り合いをつけてやっていくことができるようになってきた。

 川辺で木陰になっているベンチで話す2人。
 気付いたらかなり時間が立って、少し日が傾いてきていた。

  -これからはよかったらちょくちょく連絡してね。
  -うん。そうします。
   この何年間か、先生に連絡しようかなって思ったことも何度もあったけど、なんとなくできなかった。
   でも今日会えてよかった。
  -じゃあ、元気でね。

 青年を見送る保護司。
 少年院に入る前、そして出た後も青年が 抱えてきた、“生きづらさ”のことを考えた。
 自分がずっと青年の面倒を見れるわけじゃない。
 でも、青年が持つ“生きづらさ”のことを考えることはできる。

 コロナの難しい時代に、それぞれが持っている“生きづらさ”のこと。
 “生きづらさ”があっても、決して後ろ向きじゃなくて、明るく生きていける。

#生きづらさを、生きていく

法務省のサイトで公開されている、“社会を明るくする運動”の実施要綱(全国)等は、下のリンク先をご参照ください。

法務省:第74回“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~
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