保護司とは

保護司とは

保護司は、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。

保護司法に基づき、法務大臣から委嘱された非常勤・一般職の国家公務員としての立場で職務を行います。法務省の職員ではなく、給与は支給されません。

保護司は、民間人としての柔軟性と地域の実情に通じているという特性をいかし、保護観察官と協働して保護観察に当たるほか、犯罪や非行をした人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたとき、スムーズに社会生活を営めるよう、釈放後の住居や就業先などの帰住環境の調整や相談を行っています。
また、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、地域社会の安全と安心に寄与する活動を組織的に行っています。

沖縄県内各地にあまねく、保護司として約600人の方が活動されています。
全国には約4万7千人の保護司がいます。

保護司は具体的にどのような活動をしているのでしょうか?

保護司は、個別に指定を受けて活動することもあれば、保護司会(地域の組織単位)で活動することもあります。具体的な活動としては、次のようなものなどがあります。

  1. 罪を犯した人たちなどの立ち直りを直接に支援する活動(個別に指定を受けて活動します)
    • 保護観察を受けている人(保護観察対象者)と面接を行い、見守り、指導や助言をすること
    • 刑務所や少年院にいる人が施設を出た後に帰る場所(家庭や働く場所)の生活環境を調整すること
  2. 地域における犯罪や非行を予防する活動(保護司会の計画に基づいて活動します)
    • 犯罪や非行を予防するために地域での啓発活動をすること(犯罪予防活動)
    • 保護司の活動に必要な関係者や協力者とのネットワークづくりをすること(地域活動)

罪を犯した人の立ち直りを支援することは、なぜ必要なのでしょうか?

ほとんどの場合、罪を犯した人もいずれは社会に戻ってきます。しかし、こうした人たちは、社会生活上様々な課題を抱えています。生活を軌道に乗せられず、結局、再び罪を犯してしまう例が後を絶ちません。

全体の3割を占める再犯者が、全体の6割の犯罪をしていることがわかっており、実際、多くの犯罪が再犯によるものです。一度罪を犯した人の支援をしっかりとしなければ、安全・安心な地域社会を実現することはできません。

犯罪や非行をした人と接することに不安はないのでしょうか?

犯罪や非行をした人には、ささいなことであきらめたり、投げやりになったりしがちな方が少なくありません。こうした人の相手は気軽にできるものではありません。また、犯罪や非行をした人は怖いという印象があるかもしれません。

しかし、ひとりの人間として尊重し、真剣に話を聞くなど、保護司が温かく、また正面から向き合うことで、多くの人たちが立ち直っています。

保護司の仕事は難しそうで、一人でやるのは大変ではありませんか?

保護司が、保護観察対象者の担当者として行う面接や生活指導の方法などについては、専門家である保護観察官(常勤の国家公務員)と連絡を取り合う中で、様々なアドバイスがなされます。

また、保護司は、経験年数や適性に応じた各種研修会を定期的に受講することになります。

さらに、保護司が所属する保護司会には多様な経験を持つベテランの保護司がおり、助言や意見交換などがなされています。

保護司活動の費用はどうなるのでしょうか?

保護司に給与は支給されず、無給のボランティアです。

とはいえ、保護司活動には所要の経費がかかります。そのため、実際にかかった経費を補填する観点から「実費弁償」として、活動実費が一定の基準により支給されます。例えば、国で決められた範囲での保護司活動の経費や、国が実施する保護司の研修会の参加費用、教材費などがこれに当たります。

さらに、保護司としての職務中、又は、職務上の移動中にけがをした場合には、公務災害補償の適用を受けます。また、保護司としての職務に関わる物的損害についても一定の範囲で、公費を原資とする保険を掛けて保障しています。

どのような人が保護司になっているのですか?

会社などを定年退職された方はもちろんですが、現に仕事をされている方、主婦の方など様々な方が保護司になっています。

保護司になるには、原則として初回委嘱時66歳以下であること、保護司活動をする熱意と時間的余裕があることなどいくつかの条件があります。

保護司になるための手続はどうなっていますか?

保護観察所の長があらかじめ保護司選考会の意見を聴いた上で、保護司候補者を法務大臣へ推薦します。推薦された者のうちから、法務大臣が委嘱します。

保護司選考会は各保護観察所ごとに1つが置かれています。法務大臣が委員を委嘱しており、地方裁判所長、家庭裁判所長、検事正、弁護士会長、矯正施設の長の代表、保護司代表、都道府県公安委員会委員長、都道府県教育委員会教育長、地方社会福祉審議会委員長、地方労働審議会会長、学識経験者のうちから委嘱しています。

保護司会では、保護司の人材確保の促進に関する活動を行っており、その区域内で保護司の候補者となる方と面談したり、地域での協議会を開催するなどして必要な情報を収集し、ご本人や家族の承諾が得られるなど、保護司として適任と思われる方々を保護観察所へ内申しています。その地域で保護司が充足しているなどの事情で内申がなされないこともあります。

保護観察所の長が推薦する保護司候補者は、保護司会から内申された方々を基本としています。内申された方へ保護観察所職員が直接面談することがあります。また、ご本人の承諾を得て、保護司の欠格条項(禁錮以上の刑に処せられた者など)に当たらないか官公署へ確認調査等を行っています。

那覇保護観察所管内では、保護司の委嘱に関する手続を2年間に3回の頻度で行っています。

保護司になったら、いつまで続けることになりますか?終身ですか?

保護司の任期は2年で、再任を妨げないとされています。

終身ではなくいわゆる定年制があり、端的に言えば、主な活動を78歳に達するまで行っていただけます。
より正確には、次のとおり全国的に統一して運用されています。

  1. 次の再任予定日(2年の任期が満了した翌日)に75歳以下の方は、特に事情がない限り再任されます。
    (従来からの、いわゆる定年制)
  2. 次の再任予定日で76歳又は77歳の方は、希望があればもう一期(2年)だけ再任されます(特例再任保護司、令和3年度から実施)。保護観察対象者の担当などの主な活動(個別に指定を受ける職務)は78歳に達するまでで終えることになり、残る任期は犯罪予防活動や地域活動を行うことになります。

保護司のパンフレット

実際に保護司になられた方の談話などが載っていたり、保護司の職務に関係する説明が載っていたりいますので、ぜひご覧ください。

http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo01_00010.html

保護司に関する主な法律(保護司法、更生保護法)

(保護司の使命)
保護司法 第1条 保護司は、社会奉仕の精神をもつて、犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を助けるとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、もつて地域社会の浄化をはかり、個人及び公共の福祉に寄与することを、その使命とする。

保護司法 | e-Gov法令検索
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府省令・規則)の内容を検索して提供します。
更生保護法 | e-Gov法令検索
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府省令・規則)の内容を検索して提供します。

保護司組織

保護司会

保護司は、それぞれに配属された保護区において保護司会に加入し、研修、犯罪予防活動、関係機関との連絡調整、広報活動などの組織的な活動を行っています。沖縄県には8つの保護区があります。

保護司会
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沖縄県保護司会連合会

那覇保護観察所に対応して、沖縄県域で、沖縄県保護司会連合会が組織されています。

沖縄県保護司会連合会
目次 沖縄県保護司会連合会について目的活動内容新着記事 沖縄県保護司会連合会について 沖縄県保護司会連合会 〒900-0022 那覇市樋川1丁目15-15 那覇保護観察所内 ☎ 098-855-9...

九州地方保護司連盟、全国保護司連盟

さらに、九州ブロックでは九州地方保護司連盟、全国団体として更生保護法人全国保護司連盟が組織されています。

保護司信条 (平成6年5月26日 全国保護司連盟社員総会において制定)

私たち保護司は、社会奉仕の精神をもって、

一 公平と誠実を旨とし、
  過ちに陥った人たちの更生に
  尽くします。

一 明るい社会を築くため、
  すべての人々と手を携え、
  犯罪や非行の予防に努めます。

一 常に研鑽に励み、
  人格識見の向上に努めます。

全国保護司連盟
全国保護司連盟は、全国の保護司や保護司組織に対する連絡、調整、助成等を行い、その活動の充実を図ることを主な事業とする団体です。
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